抗インターフェロン-γ自己抗体陽性の播種性M. colombiense症の1例
尾野 慶彦 山本 正嗣 小濱みずき 吉崎 飛鳥 小林 和幸 西村 善博
神戸大学大学院医学研究科内科学講座呼吸器内科学分野
68歳女性.発熱,咳嗽,左肩痛のため受診され,抗菌薬治療を行うも全身状態の悪化が著しく,ステロイド剤を投与したところ病状が改善した.漸減中止後に再度発熱し,同時に前胸部に皮下膿瘍が出現し,培養検査を行ったところMycobacterium colombienseが検出された.血液培養,喀痰培養からも同菌が培養され,播種性非結核性抗酸菌症と診断した.HIV感染は陰性であり抗インターフェロン-γ自己抗体を測定したところ陽性であり,播種性非結核性抗酸菌症の発症に関与していたと考えられた.
播種性非結核性抗酸菌感染症 抗インターフェロン-γ自己抗体 Mycobacterium colombiense
Received 30 Jan 2018 / Accepted 6 Mar 2018
尾野 慶彦
〒650–0017 兵庫県神戸市中央区楠町7–5–2
神戸大学大学院医学研究科内科学講座呼吸器内科学分野
日呼吸誌, 7(3): 166-170, 2018