孤発性腫瘤影を呈した多発血管炎性肉芽腫症の1例
德田 皇治a 久朗津尚美a 大林 王司a 武村 民子b 杉山幸比古a
a練馬光が丘病院呼吸器COPDセンター
b日本赤十字社医療センター病理部
67歳,女性.20XX年9月に乾性咳嗽を主訴として受診し,左下葉に腫瘤を認めた.経気管支肺生検を施行したが診断に至らなかった.11月に腫瘤の増大を認め,胸腔鏡下左下葉切除を施行した.病理組織で微小膿瘍,柵状肉芽腫,壊死性肉芽腫性血管炎の所見を認め,多発血管炎性肉芽腫症と診断した.その後無治療で経過観察し,再燃なく経過している.多発血管炎性肉芽腫症で孤発性腫瘤影を呈する例は稀であるが,鑑別疾患の一つとして考慮すべきであると考えられた.また,本症において疾患活動性が穏やかな例があることが判明した.
多発血管炎性肉芽腫症 孤発性腫瘤 胸腔鏡下肺切除 柵状肉芽腫
Received 20 Nov 2017 / Accepted 5 Feb 2018
德田 皇治
〒179–0072 東京都練馬区光が丘2–11–1
練馬光が丘病院呼吸器COPDセンター
日呼吸誌, 7(3): 156-160, 2018