肺神経内分泌癌に対する化学療法中に再生検にて平滑筋肉腫の診断を得た1例
河島 暁a 白石 祐介b 丸毛 聡b 西村 貴文c 弓場 吉哲d 福井 基成b
a滋賀医科大学医学部附属病院呼吸器内科
b公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院呼吸器センター
c同 腫瘍内科
d同 病理診断科
症例は67歳男性.咳嗽,呼吸困難と左胸部違和感を主訴に当院を受診した.胸部造影CTで左胸腔内多発腫瘤影と左胸水を認め,胸水セルブロック法による病理標本から肺神経内分泌癌と診断した.化学療法を開始したが効果不十分で,画像的にも胸腔内多発腫瘤影が主体であったため,左胸腔内腫瘤に対しCTガイド下針生検を実施したところ平滑筋肉腫の診断を得たため,平滑筋肉腫に対する化学療法を実施した.非典型的な臨床所見を有する肺癌患者には,他の組織型の腫瘍が混在する可能性も考え,再生検を考慮すべきであると考えられた.
Received 6 Nov 2017 / Accepted 6 Mar 2018
河島 暁
〒520–2142 滋賀県大津市月輪町
滋賀医科大学医学部附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 7(3): 151-155, 2018