ペムブロリズマブ投与後に肺門・縦隔リンパ節にサルコイド様反応を認めた肺腺癌の1例
片 佑樹a 河﨑 勉a 岡安 香a 鵜浦 康司a 下山 武彦b 熊谷 二朗c
a横浜市立みなと赤十字病院呼吸器内科
b同 呼吸器外科
c同 病理診断科
症例は48歳,女性.左大量胸水を認め,肺腺癌,胸膜播種と診断し,初回治療としてペムブロリズマブを導入した.速やかに腫瘍マーカーの低下とともに胸膜播種,胸水は改善したが,両側肺門・縦隔リンパ節腫大とPET/CT検査での同部位への著しいFDG集積を認めた.胸腔鏡下リンパ節生検を施行し,壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイド様反応と診断した.肺腺癌に対してペムブロリズマブ投与後に病勢コントロールと同時に認められたサルコイド様反応についての報告は乏しく,貴重な症例と考えられた.
Received 20 Dec 2017 / Accepted 2 Mar 2018
河﨑 勉
〒231–8682 神奈川県横浜市中区新山下3–12–1
横浜市立みなと赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 7(3): 142-145, 2018