遷延性咳嗽にて一般診療所を受診したPT-IgG抗体価高値成人百日咳の臨床的特徴
aあめみや内科
b順天堂大学医学部附属静岡病院呼吸器内科
一般診療所を受診した成人遷延性咳嗽926症例においてPT-IgG抗体価高値百日咳52例の臨床的特徴を検討した.発作性の咳き込みを31例(59.6%),吸気性笛声を9例(17.3%),咳き込み後嘔吐を15例(28.8%)に認めたが,15例(28.8%)では特徴的症状を認めなかった.抗体価高値による診断と説明は,複数の医療機関を受診する患者の不安感軽減に重要である.気管支拡張薬が有効な症例を半数に認めたが,FeNOとの相関はなく自然軽快と考えられた.百日咳は遷延性咳嗽における咳喘息の重要な鑑別疾患である.
Received 11 Jan 2018 / Accepted 19 Feb 2018
雨宮 徳直
〒410–0836 静岡県沼津市吉田町17–28
あめみや内科
日呼吸誌, 7(3): 125-130, 2018