体外式膜型人工肺の早期導入で救命した重症インフルエンザウイルス肺炎の1例
下地 清史a 小川 喬史a 宮﨑こずえa 對馬 浩b 村上 功a
a東広島医療センター呼吸器内科
b同 循環器内科
症例は53歳,女性.インフルエンザに急激な呼吸状態の悪化と血圧の低下を伴い,当院に搬送された.著明な低酸素血症とショック状態を呈しており,体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)を含む集学的治療を行い,後遺症なく退院した.季節性インフルエンザウイルスの感染を契機としてウイルス肺炎とたこつぼ心筋症を合併したまれな1例であった.患者背景や病態を的確に把握したうえでのECMOの早期の導入で,患者予後は改善する可能性がある.
インフルエンザウイルス肺炎 たこつぼ心筋症 体外式膜型人工肺
Received 23 Jun 2017 / Accepted 13 Nov 2017
下地 清史
〒739–0041 広島県東広島市西条町寺家513
東広島医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 7(2): 109-113, 2018