中葉舌区腹側に腫瘤様陰影を呈した急性型外因性リポイド肺炎
藤原 啓司a 藤田 純一a 嶋田 貴文a 望月 芙美a 石川 博一a 渡辺あずさb
a筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
b同 放射線科
急性型外因性リポイド肺炎は通常胸部CTですりガラス陰影や浸潤影を呈し,両側性で中葉および下葉背側が優位である.症例は76歳男性.灯油を誤飲し腹臥位で就寝後,発熱,左胸痛,咳嗽が出現し救急外来を受診した.胸部単純CTで中葉舌区腹側に内部が低吸収の腫瘤様陰影を認め,気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage:BAL)で急性型外因性リポイド肺炎と診断した.急性型外因性リポイド肺炎においても中葉舌区腹側に腫瘤様陰影を呈することもあり,灯油誤飲が疑われるようであれば本症を考慮すべきである.
Received 4 Oct 2017 / Accepted 22 Jan 2018
藤原 啓司
〒305–8558 茨城県つくば市天久保1–3–1
筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
日呼吸誌, 7(2): 105-108, 2018