超音波気管支鏡ガイド下針生検が診断確定に有用であった結核合併肺扁平上皮癌の1例
粒来 崇博 薄場 彩乃 駒瀬 裕子 大山 バク 尾上林太郎 檜田 直也
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院呼吸器内科
症例は64歳女性.2ヶ月前に右背部痛が出現,改善しないため精査したところ胸部単純CTで右下葉に腫瘤を検出した.肺癌を疑い経気管支肺生検,胸水穿刺,超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA),CTガイド下肺生検で扁平上皮癌の診断を得た.EBUS-TBNA時の検体より結核菌を検出したため,リンパ節結核と扁平上皮癌の合併と診断した.肺癌と肺結核は肺内に結節を形成する疾患として鑑別が重要であるが,本症例は同時に発症し,リンパ節結核の診断にEBUS-TBNAが有用であり示唆に富む症例と考えられた.
肺癌 結核 超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)
Received 24 Aug 2017 / Accepted 27 Nov 2017
粒来 崇博
〒241–0811 神奈川県横浜市旭区矢指町1197–1
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院呼吸器内科
日呼吸誌, 7(2): 90-94, 2018