広島県東部におけるレジオネラ症集団発生事例の郵送調査報告
尾下 豪人a 磯山 正子a 由田 彩佳a 児玉 尭也a 大﨑 慶子a 川﨑 広平a 奥崎 健a 有田 健一b
a三原市医師会病院内科
b三原赤十字病院呼吸器内科
2017年3月に発生した広島県三原市の温泉入浴施設を感染源とするレジオネラ症集団発生では58人の発症届出があった.我々は近隣病院に対して郵送調査を実施し,12病院からレジオネラ肺炎39例の臨床情報を得た.平均年齢は70.7歳で,31人が男性だった.29人が尿中抗原検査にて診断され,他検査で診断された症例より,診断に要した時間が短かった.過去の集団発生事例と比べて確定診断例が増加していた.治療では抗菌薬に加えて,主に低酸素血症をきたした症例では副腎皮質ステロイド薬が使用された.
Received 15 Sep 2017 / Accepted 22 Nov 2017
尾下 豪人
〒723–0051 広島県三原市宮浦1–15–1
三原市医師会病院内科
日呼吸誌, 7(2): 85-89, 2018