気管支サーモプラスティ後に肺嚢胞の出現を認めた1例
西田 浩平 三木 真理 澤 信彦 香川 浩之 三木 啓資 北田 清悟
独立行政法人国立病院機構刀根山病院呼吸器内科
症例は57歳男性.高用量吸入ステロイド剤を含む多剤併用治療下でも喘息コントロールが不良であり,難治性喘息と診断した.気管支サーモプラスティを3回に分けて施行したところ,3回目の両側上葉の治療終了翌日に右肺中葉に嚢胞が出現し,内部に液体貯留を認めた.経過観察にて嚢胞は縮小を認めている.肺嚢胞出現の原因として,治療後に形成された粘液栓や熱エネルギーにより構造変化した気道壁がチェックバルブ機構を構築した可能性や,熱エネルギーによる刺激で肺裂傷が生じた可能性などが考えられた.稀少な合併症であり報告する.
Received 28 Aug 2017 / Accepted 19 Oct 2017
連絡先:西田 浩平
〒560–8552 大阪府豊中市刀根山5–1–1
日呼吸誌, 7(1): 74-77, 2018