MR拡散強調画像が術前肺門・縦隔リンパ節転移の評価に有益であった肺癌の2症例
薄田 勝男a 松井 琢真a 本野 望a 的場 宗孝b 湊 宏c 浦本 秀隆a
a金沢医科大学呼吸器外科学
b同 放射線医学
c同 臨床病理学(現 石川県立中央病院病理診断科)
PET-CTより,MR拡散強調画像が肺癌のリンパ節評価に有効であった症例を報告する.症例1は右下葉の2.9cm大の肺癌例で,PET-CTでcN0,拡散強調画像でcN2,切除によりpN2と診断された.症例2は右上葉の2.0cm大の肺癌例で,PET-CTで#4R・#4Lのリンパ節にFDGの集積があったが,拡散強調画像ではそれらに拡散の低下はなかった.肺切除および#4Rのリンパ節を切除し,リンパ節は炭珪肺症と診断された.肺癌のリンパ節の評価では,拡散強調画像が有益な症例がある.
Received 19 Jun 2017 / Accepted 24 Oct 2017
連絡先:薄田 勝男
〒920–0293 石川県河北郡内灘町大学1–1
日呼吸誌, 7(1): 68-73, 2018