潰瘍性大腸炎の肺病変の加療中に気胸を併発した1例
マツダ株式会社マツダ病院呼吸器内科
症例は72歳男性.潰瘍性大腸炎に対して14年間サラゾスルファピリジンを内服していた.発熱と咳嗽があり,胸部X線写真で右下肺野に肺炎像を指摘され当科に入院した.抗菌薬で改善なく,気管支肺胞洗浄液の細胞分画は好酸球優位で,経気管支肺生検では器質化肺炎の所見であった.ステロイド治療で解熱し,咳嗽も減少したが,経過中に右中葉に出現したブラによる気胸を併発し,手術を行った.サラゾスルファピリジン再開後も再発は認めず,潰瘍性大腸炎に伴う器質化肺炎に気胸を併発した症例はこれまでにないため報告する.
Received 27 Mar 2017 / Accepted 25 Sep 2017
連絡先:大成 洋二郎
〒735–0017 広島県安芸郡府中町青崎南2–15
日呼吸誌, 7(1): 63-67, 2018