多臓器に病変を有し急性増悪をきたしたサルコイドーシスの1例
白澤 昌之 久保田 勝 笠島 真志 日吉 康弘 中原 善朗 益田 典幸
北里大学医学部呼吸器内科学
症例は37歳,男性.霧視にて受診した.胸部X線写真でBHLを指摘され,サルコイドーシスを疑われた.数日後,突然,呼吸困難を自覚し,低酸素血症のため気管挿管,人工呼吸管理となった.サルコイドーシス急性増悪と考えステロイドパルス療法を施行し,速やかに改善した.皮膚,左鼡径リンパ節生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めサルコイドーシスと診断した.全身精査にて肺,心臓,眼,リンパ節,神経,皮膚の多臓器に病変を認めた.多臓器に病変を有するサルコイドーシスでは急性増悪をきたす可能性を考慮する必要がある.
サルコイドーシス 急性増悪 ステロイドパルス療法 多臓器病変
Received 23 Jan 2017 / Accepted 23 Oct 2017
連絡先:白澤 昌之
〒252–0374 神奈川県相模原市南区北里1–15–1
日呼吸誌, 7(1): 49-53, 2018