クッシング症候群に合併し肺クリプトコッカス症と臨床診断された1例
寺田 友子 貫井 義久 瀬間 学 日下 祐 岡本 師 稲瀬 直彦
東京医科歯科大学呼吸器内科
症例は23歳女性.クッシング症候群が疑われた際に撮影された胸部単純CTにて右肺S6に7mm大の結節影を認めた.喀痰培養および細胞診,真菌抗原値は陰性だった.3週間後の単純CT再検にて結節は21mm大へ増大し,血清クリプトコッカス抗原が陽性となっていたため肺クリプトコッカス症と診断した.フルコナゾールを6ヶ月投与し結節は消失した.クッシング症候群を背景とした肺クリプトコッカス症の報告は少なく,小結節の場合は血清クリプトコッカス抗原が陰性となることがあり留意が必要である.
肺クリプトコッカス症 クッシング症候群 肺結節影 血清クリプトコッカス抗原
Received 8 Sep 2017 / Accepted 10 Nov 2017
連絡先:寺田 友子
〒113–8510 東京都文京区湯島1–5–45
日呼吸誌, 7(1): 44-48, 2018