多発結節影を呈した肺類上皮血管内皮腫の1例―わが国の文献報告例を含めた検討―
川述 剛士 井窪祐美子 田中 健介 鈴木 未佳 河野千代子 山田 嘉仁
JR東京総合病院呼吸器内科
症例は56歳女性,胸部画像異常で当科紹介.両肺に長径1.0cm未満で辺縁明瞭な多発結節影を認めた.転移性肺腫瘍との鑑別を要し,胸腔鏡下に施行した外科的肺生検で肺類上皮血管内皮腫と診断した.肺類上皮血管内皮腫の確立した治療法はなく,両肺に多発する緩徐進行例は無治療経過観察されることが多い.また本症例のように多発結節影を呈する場合は,転移性肺腫瘍との鑑別が大きな問題となる.外科的肺生検で診断した肺類上皮血管内皮腫の1例を,過去の文献報告例の検討を交えて報告する.
肺類上皮血管内皮腫 類上皮血管内皮腫 多発結節影 転移性肺腫瘍
Received 24 May 2017 / Accepted 4 Sep 2017
連絡先:川述 剛士
〒151–8528 東京都渋谷区代々木2–1–3
日呼吸誌, 7(1): 30-34, 2018