IgG4関連肺疾患の経過中に発症した原発性肺腺癌の1例
德田 皇治a,b 中屋 孝清b 中山 雅之b 坂東 政司b 杉山幸比古b 萩原 弘一b
a地域医療振興協会練馬光が丘病院呼吸器COPDセンター
b自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門
71歳,男性.20XX-5年にIgG4関連肺疾患と診断された.20XX年4月に両側肺の結節,縦隔・肺門リンパ節の腫大,血清IgG4値の上昇を認めたため,原疾患の増悪の可能性が考えられた.プレドニゾロンが投与され,病変の縮小およびIgG4値の低下を認めたが,その後再び縦隔リンパ節が増大し,右肺門部に腫瘤性病変の新出を認めた.右主気管支内腔からの生検で原発性肺腺癌と診断した.IgG4関連肺疾患は多彩な肺病変を呈するため悪性腫瘍の早期診断が困難な場合があり,注意深い観察を要すると考えられた.
Received 21 Jul 2017 / Accepted 1 Nov 2017
連絡先:德田 皇治
〒179–0072 東京都練馬区光が丘2–11–1
日呼吸誌, 7(1): 20-24, 2018