急性Ⅱ型呼吸不全を契機に診断された多系統萎縮症の1例
竹田 倫世a 杉中 美穂b 古川 皓一b 中村 尚季b 紙森 隆雄b 藤原 寛b
a星ヶ丘医療センター呼吸器内科
b淀川キリスト教病院呼吸器センター
症例は67歳女性.間質性肺炎でステロイド治療中,いびきの訴えがあり睡眠時無呼吸症候群が疑われ,簡易ポリグラフ検査で無呼吸低呼吸指数が40.2/時であった.経鼻的持続気道陽圧呼吸療法開始後,改善が乏しく終夜睡眠ポリグラフ検査で低呼吸を認めた.その後下肢脱力の訴えがあり,神経筋疾患が疑われたが,原因が明らかでなく,経過観察中に急性Ⅱ型呼吸不全を発症した.以後臨床症状の進行を認め,多系統萎縮症と診断した.急性呼吸不全を病初期に呈した多系統萎縮症の1例として報告する.
Received 23 Mar 2017 / Accepted 26 Jul 2017
連絡先:竹田 倫世
〒533–0024 大阪府枚方市星丘4–8–1
日呼吸誌, 6(6): 483-487, 2017