自然軽快後にDLST陽転化を確認したベプリジルによる薬剤性肺障害の1例
時田 心悟 平田 博国 杉立 渓 渡部 峰明 増田 浩之 福島 康次
獨協医科大学越谷病院呼吸器・アレルギー内科
ベプリジルは抗不整脈薬で薬剤性肺障害の報告は少ない.73歳女性.4ヶ月前よりベプリジルが開始され,1ヶ月前より呼吸困難,咳嗽が認められ受診.胸部単純CT上,両側肺野にすりガラス様陰影と浸潤影が認められ,KL-6値は10,570U/mLだった.気管支鏡検査におけるBALF細胞分画で,リンパ球が41%だった.ベプリジルによる薬剤性肺障害を考え,中止したところ自然軽快した.11ヶ月後にDLST再検したところ陽転化した.本症例は薬剤中止後自然軽快し,DLSTが陽転化した希少な症例であり報告する.
Received 24 May 2017 / Accepted 28 Aug 2017
連絡先:時田 心悟
〒343–8555 埼玉県越谷市南越谷2–1–50
日呼吸誌, 6(6): 473-478, 2017