ランダム皮膚生検,骨髄生検で診断に至らずTBLBで診断し得た血管内リンパ腫の1例
堤 大輔a 石井 稔浩a,b 阿部 航a 宇佐川佑子b 西田 陽登c 宮﨑 英士a
a大分大学医学部総合診療・総合内科学講座
b同 呼吸器・感染症内科学講座
c同 診断病理学講座
症例は59歳の男性.発熱と労作時息切れを主訴に当科を受診した.汎血球減少,LDHおよび可溶性IL-2受容体の著明高値を認めたため血管内リンパ腫を疑った.胸部造影CTでは全く肺野陰影を認めなかったため,骨髄生検とランダム皮膚生検を施行したが陰性であった.その後PET CTにて両下肺野への集積を確認し,同部位に対して経気管支肺生検を行い,血管内リンパ腫の診断を得た.なお,同時期に行ったランダム皮膚生検でもリンパ腫細胞が確認された.血管内リンパ腫の診断における生検部位に関する文献的考察も含めて報告する.
血管内リンパ腫 経気管支肺生検 ランダム皮膚生検 骨髄生検 ポジトロンエミッション断層撮影
Received 16 Feb 2017 / Accepted 10 Aug 2017
連絡先:堤 大輔
〒879–5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1–1
日呼吸誌, 6(6): 463-467, 2017