胃粘膜にサルコイド反応を認めた古典的ホジキンリンパ腫の1例
藤城 泰麿a 澤田 哲郎a 坂東 政司a 山内 浩義a 田中 亨b 杉山幸比古c
a自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門
b同 病理学講座人体病理学部門
c練馬光が丘病院呼吸器内科
症例は74歳の女性.関節リウマチに伴う間質性肺炎が背景にあり,検診で縦隔リンパ節腫脹を認め,当院に紹介受診・入院した.胃生検とその後のリンパ節生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,特徴的な検査所見と併せてサルコイドーシスが疑われた.その後,発熱が持続し,可溶性IL-2受容体が著明高値を示したため,リンパ節生検標本で免疫染色を追加し,CD15,CD30,EBER1陽性所見より古典的ホジキンリンパ腫と診断した.胃生検ではリンパ腫成分はなく,サルコイド反応を認めた際の診断には注意を要する.
Received 21 Mar 2017 / Accepted 7 Aug 2017
連絡先:藤城 泰麿
〒329–0498 栃木県下野市薬師寺3311–1
日呼吸誌, 6(6): 458-462, 2017