膿気胸,敗血症に至ったアスペルギルス,クリプトコッカス重複感染の1例
有森陽二郎a 迫田 頼武a 平田 慎治a 上野 正克a 水落 伸治b 松元 崇史a
a社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院呼吸器内科
b同 病理診断科
症例は74歳男性.特発性間質性肺炎の診断でステロイド治療中に右胸水と炎症反応上昇を認め入院となった.胸腔ドレナージ,抗菌薬の投与を行うも改善乏しく,肺野のすりガラス影の増悪を認めた.間質性肺炎の急性増悪を疑いステロイドを増量するもその後右気胸を発症し,同時に採取された胸水より多量の酵母様真菌を認め,敗血症性ショックに至り死亡した.剖検肺にCryptococcus neoformansとAspergillus fumigatusの重複感染を認め,クリプトコッカス膿気胸,敗血症にて死に至ったと考えられた.
Received 5 Apr 2017 / Accepted 8 Aug 2017
連絡先:有森 陽二郎
〒830–8543 福岡県久留米市津福本町422
日呼吸誌, 6(6): 426-430, 2017