3年の職歴で発症し肝障害を合併した溶接工肺の1例
河野 徳子a 野上 裕子a 山城 朋子a 吉田 誠a 渡辺憲太朗b 岩永 知秋a
a国立病院機構福岡病院呼吸器内科
b福岡大学病院呼吸器内科
症例は21歳,男性.3年間溶接工として就労していた.2016年4月より咳嗽が出現し,胸部単純CTで小葉中心性粒状影と小葉間隔壁肥厚を指摘された.気管支肺胞洗浄および経気管支肺生検で診断に至らず,胸腔鏡下肺生検で溶接工肺と診断した.肝障害の合併は,過剰鉄沈着によるヘモクロマトーシスが原因と考えた.溶接工肺は,通常10~30年の曝露で発症するが,3年の曝露で発症し肝障害を合併したまれな症例として報告する.
溶接工 肝障害 ヘモクロマトーシス BAL液中フェリチン じん肺
Received 31 Mar 2017 / Accepted 6 Jul 2017
連絡先:河野 徳子
〒811-1394 福岡県福岡市南区屋形原4-39-1
国立病院機構福岡病院呼吸器内科
日呼吸誌, 6(5): 389-392, 2017