ステロイドパルス療法後急速に肺胞出血が増悪したGoodpasture症候群の1例
都築 早美a 榊原桂太郎a 竹中 圭a 林 宏紀b 藤田 和恵b 弦間 昭彦b
a博慈会記念総合病院呼吸器科
b日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野
Goodpasture症候群(GPS)の標準治療はステロイド薬とシクロホスファミド(CPA),血漿交換の併用とされているが軽症例の最適な治療は明らかではない.自験例は3ヶ月間持続する血痰を認めたが胸部CTで両肺のわずかな淡い濃度上昇域を認めるのみ,尿潜血陽性も腎機能は正常であった.抗glomerular basement membrane(GBM)抗体陽性よりGPSを疑い気管支肺胞洗浄で肺胞出血を確認.同日ステロイドパルス療法を導入したが3日目に肺胞出血増悪による呼吸不全を呈し,CPA投与と血漿交換を経て寛解したことから,軽症例での併用療法の重要性が示唆された.
抗GBM病 Goodpasture症候群 肺胞出血 抗GBM抗体 血漿交換
Received 13 Dec 2016 / Accepted 13 Jun 2017
連絡先:都築 早美
〒123-0864 東京都足立区鹿浜5-11-1
博慈会記念総合病院呼吸器科
日呼吸誌, 6(5): 378-382, 2017