多剤併用の治療が奏効した肺Mycobacterium fortuitum症の1例
和田 広a 坂下 拓人a 井上 修平b 尾崎 良智b 大内 政嗣b 上田 桂子b
a独立行政法人国立病院機構東近江総合医療センター呼吸器内科
b同 呼吸器外科
要約:症例は47歳,女性.2014年4月より肺非結核性抗酸菌症としてリファンピシン,エタンブトール,クラリスロマイシン(CAM)などの治療を受けていたが,病変の進行を認め2016年5月に気管支鏡を施行し,Mycobacterium fortuitumと菌種を同定した.薬剤感受性検査結果も踏まえて,イミペネム/シラスタチン,アミカシン,ミノサイクリン,レボフロキサシン,CAMの5剤で2ヶ月間治療を行い,画像所見の改善,排菌停止を得た.中断,中止を要する副作用はなかった.M. fortuitumによる肺非結核性抗酸菌症に対して,薬剤感受性を加味した多剤併用治療が有効であった.
Mycobacterium fortuitum 非結核性抗酸菌症
Received 28 Feb 2017 / Accepted 6 Jun 2017
連絡先:和田 広
〒529-8505 滋賀県東近江市五智町255
独立行政法人国立病院機構東近江総合医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 6(5): 368-372, 2017