播種型Mycobacterium kansasii感染症の1例
さいたま赤十字病院呼吸器内科
症例は52歳,男性.分類不能血管炎に対しプレドニゾロンとアザチオプリン内服中,発熱が続くため入院した.汎血球減少のため骨髄穿刺を施行し,骨髄異形成症候群と診断した.広域抗菌薬などを投与するも改善がみられず呼吸状態は悪化し,単純CTで両側びまん性粒状影が出現した.その後,骨髄生検より類上皮細胞肉芽腫を認め,抗結核薬を投与したところ徐々に改善した.後日,骨髄抗酸菌培養陽性とDNA-DNA hybridizationの結果より,播種型Mycobacterium kansasii感染症と診断した.播種型M. kansasii感染症は治療に反応し病状の改善が可能であることより,確実に診断する必要がある.
播種型Mycobacterium kansasii感染症 Mycobacterium kansasii 骨髄異形成症候群
Received 21 Apr 2017 / Accepted 11 May 2017
連絡先:栗岩 早希
〒338-8553 埼玉県さいたま市中央区新都心1-5
さいたま赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 6(5): 364-367, 2017