免疫介在性末梢神経障害を合併した縦隔リンパ節結核の1例
増本 菜美a 後藤 秀人a 池田 秀平a 田中 恭子a,b 椿原 基史a 金子 猛c
a独立行政法人国立病院機構横浜医療センター呼吸器内科
b大和東クリニック
c横浜市立大学大学院医学研究科呼吸器病学
症例は25歳,男性.2週間前より徐々に進行した両下腿筋痛,歩行障害を主訴に当院を受診した.入院時の胸部単純CTにて縦隔リンパ節腫大を認め,超音波気管支鏡ガイド下針生検の検体より結核菌PCR陽性となり,縦隔リンパ節結核と診断した.筋生検では筋炎・血管炎所見は乏しく,神経伝導速度検査で左下肢の軸索障害を認めた.その後抗結核療法およびステロイドパルス療法を行い,縦隔リンパ節腫大の縮小と自覚症状の改善を認め,歩行可能となった.臨床経過より結核感染に起因した免疫介在性末梢神経障害と考えられた.
結核 縦隔リンパ節腫大 末梢神経障害 免疫介在性神経障害 Guillain-Barré症候群
Received 5 Jan 2017 / Accepted 26 May 2017
連絡先:増本 菜美
〒245-8575 神奈川県横浜市戸塚区原宿3-60-2
独立行政法人国立病院機構横浜医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 6(5): 359-363, 2017