低γグロブリン血症を伴う肺炎を契機に診断されたGood症候群の1例
JA長野厚生連南長野医療センター篠ノ井総合病院呼吸器内科
症例は82歳,女性.1年5ヶ月前,前縦隔腫瘤を指摘されていた.今回,発熱,咳嗽を主訴に当院を受診した.インフルエンザA型・肺炎球菌肺炎と診断し抗インフルエンザ薬,抗菌薬を投与したが,発熱は持続し呼吸状態も改善しなかった.数日後,低γグロブリン血症を認め,免疫グロブリンを補充したところ感染は改善した.後日,前縦隔腫瘍に対してCTガイド下針生検を施行した.病理所見は胸腺腫でありGood症候群と診断した.まれな疾患であるGood症候群を肺炎の加療を契機に診断したので報告する.
Received 15 Dec 2016 / Accepted 22 May 2017
連絡先:曽根原 圭
〒388-8004 長野県長野市篠ノ井会666-1
JA長野厚生連南長野医療センター篠ノ井総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 6(5): 355-358, 2017