ペメトレキセドの長期投与中に発症し二次癌が疑われた急性骨髄性白血病の1例
田中 知宏a 野嵜幸一郎b 眞水 飛翔a 太田 毅a 古川 俊貴a 石田 卓士a
a新潟県立中央病院内科
b新潟県立がんセンター新潟病院内科
症例は77歳,男性.左下葉肺腺癌Stage IVB期の初回化学療法施行後に再発に対して,ペメトレキセド単剤で2次化学療法を開始した.その後部分奏効を維持していたが,65コース終了後に汎血球減少を認めた.連日G-CSF製剤を投与し輸血を施行したが骨髄抑制が遷延したため,血液疾患を疑った.骨髄穿刺の施行により急性骨髄性白血病と診断したが,二次性白血病に特徴的な11番染色体の相互転座を伴っていた.イダルビシン+シタラビンで治療され寛解を得たが再発し,患者は発症13ヶ月後に死亡した.
Received 19 Apr 2017 / Accepted 4 Jul 2017
連絡先:田中 知宏
〒943-0192 新潟県上越市新南町205
新潟県立中央病院内科
日呼吸誌, 6(5): 351-354, 2017