気胸を契機に診断に至った肺原発絨毛癌の1例
廣岡さゆりa 浦本 秀志a 中嶋 啓a 小林 広典b 坂本 理a 興梠 博次c
a独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院呼吸器内科
b同 呼吸器外科
c熊本大学医学部附属病院呼吸器内科
症例は76歳,男性.血痰を主訴に受診した際に左気胸を指摘され,同時に左上葉に結節影を認めた.気胸は胸腔ドレナージで軽快せず,結節影の確定診断も兼ねて外科的切除を行い,絨毛癌の診断に至った.肺以外に病巣はなく,肺原発絨毛癌と診断した.また腫瘍辺縁部にはTTF-1陽性腺癌を伴っていた.術後1ヶ月半で肝転移巣破裂により再発し予後不良であった.
Received 6 Jan 2017 / Accepted 29 May 2017
連絡先:廣岡 さゆり
〒861-1196 熊本県合志市須屋2659
独立行政法人国立病院機構熊本再春荘病院呼吸器内科
日呼吸誌, 6(5): 346-350, 2017