EGFR遺伝子変異とEML4-ALK融合遺伝子が同時陽性を示した肺腺癌の1例
稲田 祐也a 柳原 一広b,c 岩﨑 剛平a 吉田 真也a 勝島 詩恵b,c 伊東 友好a
a関西電力病院呼吸器内科
b同 腫瘍内科
c関西電力医学研究所臨床腫瘍研究部
症例は66歳,男性.呼吸困難,乾性嗽咳を主訴に近医を受診したところ,胸部単純CTで気管支肺炎像と右下葉に腫瘤陰影を認めたため精査目的で当院へ紹介となった.肺腺癌(cT4N3M1a,Stage IV)と診断し,EGFR遺伝子変異陽性(exon 19欠失変異)のため,1次治療でアファチニブを開始したが約9週間後に病勢進行(PD)となった.同一の組織検体でEML4-ALK融合遺伝子も陽性であることが判明したため,2次治療でアレクチニブを開始したところ約9ヶ月間の部分奏効(PR)を維持した.
非小細胞肺癌 EGFR EML4-ALK アファチニブ アレクチニブ
Received 16 Mar 2017 / Accepted 26 Jun 2017
連絡先:稲田 祐也
〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島2-1-7
関西電力病院呼吸器内科
日呼吸誌, 6(5): 327-331, 2017