血清C反応性蛋白(CRP)の高値は悪性胸膜中皮腫の予後不良因子である
北原 良洋 荒木 佑亮 難波 将史 古玉 純子 吉田 敬 中野喜久雄
独立行政法人立病院機構呉医療センター・中国がんセンター呼吸器内科
悪性胸膜中皮腫は予後不良な疾患であるが,生存期間の個人差も大きい.死亡した22例を後方視的に解析したところ,生存期間が100日未満の予後不良群は6例であった.生存期間の中央値は263.5日,平均値は347.7日で,血清C反応性蛋白(CRP)の高値が予後不良因子であった.肉腫型の患者では,血清CRPと生存期間に負の相関関係を認めた.血清CRPが高値の肉腫型患者に対する治療方法の確立が,悪性胸膜中皮腫診療におけるbreakthrough pointの一つとなると考えた.
悪性胸膜中皮腫 予後不良因子 肉腫型 C反応性蛋白 インターロイキン6
Received 1 Feb 2017 / Accepted 21 Jun 2017
連絡先:北原 良洋
〒737-0023 広島県呉市青山町3-1
独立行政法人立病院機構呉医療センター・中国がんセンター呼吸器内科
日呼吸誌, 6(5): 312-317, 2017