胸部腫瘍に対するMR拡散強調画像の有用性とその展望
薄田 勝男a 松井 琢真a 本野 望a 町田雄一郎a 的場 宗孝b 利波 久雄b 上田 善道c 浦本 秀隆a
a金沢医科大学呼吸器外科学
b同 放射線医学
c同 病理学II
MR拡散強調画像の最近の知見にスポットを当て,今後の胸部腫瘍での診断の有益性およびその展望を報告した.拡散強調画像は,いろいろな臓器で良悪性の鑑別に有用とされ,肺腫瘤の良悪性の鑑別,肺癌のN因子・M因子・病期診断に利用できる可能性がある.拡散強調画像はさらに,縦隔腫瘍の鑑別診断や,肺癌の化学療法あるいは放射線治療の効果判定に応用できる可能性がある.拡散強調画像の診断能はPET-CTと遜色ないとされるが,それらの無作為化比較試験が存在していないため,今後それによる比較検討が必要とされている.
Received 22 Feb 2017 / Accepted 18 May 2017
連絡先:薄田 勝男
〒920-0293 石川県河北郡内灘町大学1-1
金沢医科大学呼吸器外科学
日呼吸誌, 6(5): 305-311, 2017