結節性多発動脈炎に伴う気管支動脈瘤からの大量喀血で死亡した成人女性の1剖検例
津島市民病院呼吸器科
症例は29歳,女性.喀血のため受診した.救急外来にて大量喀血をきたし急変し心肺蘇生を行った.心拍は再開したが,自発呼吸はなく第6病日に死亡した.剖検では径0.2~2 mmの気管支動脈,冠状動脈,および腎臓・脾臓・卵巣・腸間膜・胆嚢・副腎周囲の動脈に,フィブリノイド壊死性血管炎を認めた.多発性の腎梗塞と心筋梗塞も認めた.以上より結節性多発動脈炎と診断した.また外弾性板の破壊とヘモジデリンの沈着を伴う気管支動脈瘤を認め大量喀血の原因と考えられた.結節性多発動脈炎では大量喀血はまれと考えられ報告する.
Received 10 Dec 2016 / Accepted 22 Mar 2017
連絡先:住田 敦
〒496-8537 愛知県津島市橘町3-73
津島市民病院呼吸器科
日呼吸誌, 6(4): 291-294, 2017