ニボルマブ治療中にニューモシスチス肺炎を発症した肺多形癌の1例
妹尾 賢a 久保 寿夫b 狩野 裕久a 西井 和也a 田端 雅弘b 木浦 勝行a
a岡山大学病院呼吸器・アレルギー内科
b同 腫瘍センター
症例は40歳,男性.右肺上葉原発の肺多形癌で,縦隔リンパ節転移,腹腔内転移を認めていた.化学療法を行われるも無効であり,4次治療としてニボルマブが投与された.ニボルマブにより胸部病変は縮小したが,経過中にニューモシスチス肺炎を発症した.肺多形癌に対するニボルマブは有用な可能性があるが,ニューモシスチス肺炎をはじめとした日和見感染症の顕性化も念頭に置いて治療する必要があると考えられた.
肺多形癌 ニボルマブ ニューモシスチス肺炎 免疫再構築症候群
Received 27 Dec 2016 / Accepted 28 Mar 2017
連絡先:久保 寿夫
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
岡山大学病院呼吸器・アレルギー内科
日呼吸誌, 6(4): 283-286, 2017