クリゾチニブ使用後アレクチニブに奏効せずセリチニブが奏効したALK遺伝子陽性肺癌
渡辺 和良a 早稲田優子a 高戸 葉月a 松岡 寛樹a 笠原 寿郎b
aJCHO金沢病院呼吸器内科
b金沢大学附属病院呼吸器内科
症例は66歳,男性.cT4N2M1a(悪性胸水),stage IVの肺腺癌と診断され,プラチナ併用化学療法を施行し一時改善したが,その後腫瘍は増大した.後日EML4-ALK融合遺伝子陽性が判明したため,クリゾチニブを開始した.腫瘍は縮小したが好中球減少,蜂窩織炎を認めたため,クリゾチニブを中止した.その後腫瘍が増大し,アレクチニブを開始したが著効せず,セリチニブに変更したところ,腫瘍は速やかに縮小し,奏効した.副作用はごく軽度で忍容性は良好であった.
クリゾチニブ アレクチニブ セリチニブ ALK 遺伝子転座陽性非小細胞肺癌
Received 10 Feb 2017 / Accepted 25 Apr 2017
連絡先:渡辺 和良
〒920-8610 石川県金沢市沖町ハ15
JCHO金沢病院呼吸器内科
日呼吸誌, 6(4): 278-282, 2017