エドキサバンによる薬剤性肺障害の1例
川口 諒a 東 盛志a 小林 恵子a 三枝 修a 都倉 昭彦a 宮下 義啓b
a北杜市立塩川病院内科
b山梨県立中央病院呼吸器内科
症例は89歳,女性.深部静脈血栓症にてワルファリンを内服中であった.小脳出血を発症し,出血のリスクを考慮されエドキサバンの内服に変更し当院でリハビリ中であったが,2ヶ月後に微熱・経皮的酸素飽和度の低下が出現した.両側肺野に斑状すりガラス様陰影を認め,気管支肺胞洗浄液ではリンパ球増多があり,臨床経過よりエドキサバンによる薬剤性肺障害を考え内服を中止し,ステロイドパルス療法を行い速やかな改善を認めた.エドキサバンによる薬剤性肺障害の論文報告はみられておらず,薬剤性肺障害の可能性に留意する必要がある.
Received 29 Nov 16 / Accepted 10 Apr 2017
連絡先:川口 諒
〒408-0114 山梨県北杜市須玉町藤田773
北杜市立塩川病院内科
日呼吸誌, 6(4): 260-264, 2017