喫煙再開後の発症が疑われた肺ランゲルハンス細胞組織球症の1例
渡邉 洋美a 久保 寿夫b 田端 雅弘b 妹尾 賢a 秦 雄介a 木浦 勝行a
a岡山大学病院呼吸器・アレルギー内科
b同 腫瘍センター
68歳,男性.45年間の喫煙歴があったが,2012年の舌癌に対する手術後は禁煙していた.2014年12月より乾性咳嗽が出現し,2015年2月の単純CTで両肺野に多発する結節影を指摘された.舌癌の肺転移が疑われたが,CTガイド下肺生検の結果,肺ランゲルハンス細胞組織球症と診断された.診断後に喫煙を再開していたことが判明し,禁煙で軽快した.成人の肺ランゲルハンス細胞組織球症は喫煙との関連が深く,初回喫煙時に発症することが多いが,喫煙再開後の発症が疑われた症例を経験した.
Received 5 Sep 2016 / Accepted 3 Apr 2017
連絡先:久保 寿夫
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
岡山大学病院呼吸器・アレルギー内科
日呼吸誌, 6(4): 255-259, 2017