肺野の多発粒状影から診断に至った原発性全身性ALアミロイドーシスの1例
a山形県立中央病院内科(呼吸器)
b同 内科(血液)
症例は81歳,男性.3年前に造影CTで両肺野に多発する小粒状影を指摘されたが,自他覚症状や血液検査で明らかな異常値もなく経過観察されていた.その後,緩徐に小粒状影が増加・増大したため経気管支肺生検を施行したところ,ALアミロイドと診断された.全身精査の結果,大腸や舌の生検でもALアミロイドの沈着を認め,原発性全身性ALアミロイドーシスの診断に至った.全身性アミロイドーシスでは肺に多発粒状影を呈することがあり,多発粒状影から全身性アミロイドーシスの診断に至ったまれな症例であるため報告する.
肺アミロイドーシス 原発性全身性アミロイドーシス 多発粒状影
Received 25 Sep 2016 / Accepted 21 Feb 2017
連絡先:片桐 祐司
〒990-2292 山形県山形市大字青柳1800
山形県立中央病院内科(呼吸器)
日呼吸誌, 6(4): 249-254, 2017