急速に進行する呼吸不全を呈したリンパ腫様肉芽腫症の1例
日下 祐a 岡本 師a 酒井 友子a 高﨑 寛司b 大場 岳彦b 磯貝 進b
a東京医科歯科大学呼吸器内科
b青梅市立総合病院呼吸器内科
症例は63歳,女性.持続する発熱で受診,両肺下葉に多発結節影を認めた.1週間後には結節影の急速な増加・増大とびまん性のすりガラス陰影が出現し,呼吸不全をきたしたため緊急気管内挿管・人工呼吸器管理となった.CTガイド下肺生検の結果は,リンパ腫様肉芽腫症grade IIIで,リツキシマブを含む多剤併用化学療法を施行.腫瘍の一時的な縮小,呼吸不全の改善を認めるも再増悪し,初診から1ヶ月半で死亡した.リンパ腫様肉芽腫症はまれなリンパ増殖性疾患であるが,急激な経過を取りうるという本症例の知見は有用と考えられ,報告する.
Received 14 Jun 2016 / Accepted 26 Dec 2016
連絡先:磯貝 進
〒198-0042 東京都青梅市東青梅4-16-5
東京医科歯科大学呼吸器内科
日呼吸誌, 6(3): 205-209, 2017