自然崩壊型腫瘍崩壊症候群を合併した肺扁平上皮癌の1例
板倉 康司a 平野 泰三a 宮内 栄作a 井上 彰a,b 杉浦 久敏a 一ノ瀬正和a
a東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野
b同 緩和医療学分野
症例は67歳,男性.造影CTで肺舌区に結節影および左最長筋内に腫瘤影を認め,CTガイド下生検にて肺扁平上皮癌(cT1aN3M1b:IV期)と診断.化学療法前に動悸と呼吸苦を認め入院.自然崩壊型腫瘍崩壊症候群(spontaneous tumor lysis syndrome:spontaneous TLS)と診断し加療を行った.しかし,急激に全身状態が悪化し多臓器不全にて翌日死亡した.Spontaneous TLSは肺癌のまれな合併症であるが致命率が高く,救命には早期診断が重要である.
肺癌 腫瘍崩壊症候群 自然崩壊型TLS 播種性血管内凝固症候群
Received 30 Aug 2016 / Accepted 22 Feb 2017
連絡先:平野 泰三
〒980-8574 宮城県仙台市青葉区星陵町1-1
東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野
日呼吸誌, 6(3): 200-204, 2017