急速に両下肢のしびれ・脱力感が進行した肺扁平上皮癌胸椎転移による硬膜外血腫の1例
浅野 俊明a 林 信行a 日比野佳孝a 山口 英敏b 金村 徳相c 山田 祥之a
aJA愛知厚生連江南厚生病院呼吸器内科
b岡崎市民病院整形外科
cJA愛知厚生連江南厚生病院整形外科
症例は73歳,男性.来院3ヶ月前から右前胸部痛が出現したため,当科に受診.胸部単純CTで右胸壁に肋骨の骨破壊を伴う充実性の腫瘤と第2胸椎(Th2)転移を指摘.初診16日目から背部痛が徐々に増強.25日目の朝,両下肢のしびれ・脱力感と尿閉が出現して救急搬送.胸部単純MRIでは脊柱管内で硬膜外に連続した,T1強調像で低信号~等信号,T2強調像で高信号の病変が存在し,背側から全脊髄を圧迫していた.同日緊急手術でTh2椎弓を切除して硬膜外にみられた血腫を除去.病理検査で肺扁平上皮癌胸椎転移による硬膜外血腫と診断した.
Received 4 Nov 2016 / Accepted 12 Dec 2016
連絡先:浅野 俊明
〒483-8704 愛知県江南市高屋町大松原137
JA愛知厚生連江南厚生病院呼吸器内科
日呼吸誌, 6(3): 190-194, 2017