左大脳結核腫と結核性総頸動脈瘤を合併した肺結核の1例
柘植 彩花a 沓名 健雄b 冨田 洋樹a 川浪 匡史a 高橋 一臣c 若山 尚士a
a名古屋第二赤十字病院呼吸器内科
b大同病院呼吸器内科
c豊橋市民病院呼吸器内科・アレルギー内科
症例は76歳,男性.右下肢脱力を主訴に当院受診.頭部造影MRIにて多発脳結節を認めた.また胸部単純CTにてtree-in-bud appearanceを認め,胃液で結核菌PCRが陽性であり,肺結核と診断した.抗結核療法を開始し,肺結核と脳病巣は改善.多発脳結節は脳結核腫と診断した.しかし治療開始7ヶ月後に嗄声が出現し,左総頸動脈瘤の悪化を認めたため手術を施行.類上皮細胞肉芽腫とLanghans型巨細胞を認め,結核性動脈瘤と診断した.これら3疾患を合併した報告は過去になく,貴重な症例と考えた.
Received 19 Dec 2016 / Accepted 24 Jan 2017
連絡先:柘植 彩花
〒466-8650 愛知県名古屋市昭和区妙見町2-9
名古屋第二赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 6(3): 174-179, 2017