多彩な画像所見を呈したびまん性嚥下性細気管支炎の1例
山中友美絵a,b 山川 英晃a,b 小松 茂a 奥寺 康司c 武村 民子d 小倉 高志a
a神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科
b東京慈恵会医科大学呼吸器内科
c横浜市立大学医学部医学科病態病理
d日本赤十字社医療センター病理部
症例は70歳,男性.62歳時に胃癌で噴門側胃切除後.咳嗽,肺野の異常陰影を指摘されていたが精査はされず2年半後に当院を受診.胸部単純CT検査では小葉中心性粒状影を認め臨床経過と合わせ,びまん性嚥下性細気管支炎(DAB)を疑ったが,一部粒状影が胸膜面や気管支血管束に接し広義間質病変を呈するサルコイドーシスなども鑑別疾患と考えた.外科的肺生検の病理所見はDABに矛盾なく,広義間質病変にみえた粒状影は呼吸細気管支から肺胞管に形成されたものであった.既知のDABと比べ非典型的画像所見であり,貴重な症例と考え報告する.
Received 2 Sep 2016 / Accepted 13 Dec 2016
連絡先:山中 友美絵
〒236-0051 神奈川県横浜市金沢区富岡東6-16-1
神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 6(3): 150-154, 2017