市中肺炎,医療・介護関連肺炎における入院時鼻腔MRSA培養検査の意義
豆鞘 伸昭a 冨岡 洋海a 俣木 陽子b 山下 修司a 金子 正博a
a神戸市立医療センター西市民病院呼吸器内科
b同 看護部
当院救急病棟に入院した,のべ730例の肺炎症例に対し入院時鼻腔MRSA培養検査を行った.培養陽性例は91例(12.5%)で,陽性率は市中肺炎で4.8%(13例),医療・介護関連肺炎(NHCAP)で17.0%(78例)と,NHCAPで有意に高く(p<0.01),NHCAPにおいては,陽性例で胃瘻の割合,肺炎重症度,初回治療失敗率が有意に高く,陰性例にMRSA肺炎臨床診断例は認めなかった.喀痰検査が困難なNHCAPにおいて,本検査は治療指針の一つとなる可能性が考えられた.
MRSA 市中肺炎 医療・介護関連肺炎 activeサーベイランス
Received 19 Aug 2016 / Accepted 6 Dec 2016
連絡先:冨岡 洋海
〒653-0013 兵庫県神戸市長田区一番町2-4
神戸市立医療センター西市民病院呼吸器内科
日呼吸誌, 6(3): 136-143, 2017