EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌から小細胞肺癌への形質転換をきたした1例
荒木勇一朗 栗山満美子 森下 真圭 原田亜紀子 石原 明典 前田 浩義
名古屋市立東部医療センター呼吸器内科
症例は67歳,男性.肺腺癌T4N2M1b(脳転移,肺転移)Stage IV EGFR遺伝子変異陽性(exon 19欠失),に対して各種薬物療法(EGFR-TKIや殺細胞性化学療法)が行われたが,治療経過途中より胸膜播種病変の出現・増大を認めたため,再生検を施行.病理組織は小細胞肺癌であったが,以前と同様のEGFR遺伝子変異を有しており,EGFR遺伝子陽性肺腺癌から小細胞肺癌への形質転換が考えられた.小細胞肺癌への形質転換は比較的まれな耐性機序であり,文献的考察を含め報告する.
EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌 EGFRチロシンキナーゼ阻害薬 小細胞肺癌への形質転換 獲得耐性
Received 8 Jul 2016 / Accepted 28 Oct 2016
連絡先:荒木 勇一朗
〒464-8547 愛知県名古屋市千種区若水1-2-23
名古屋市立東部医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 6(2): 99-103, 2017