非典型的画像所見を呈し診断に苦慮した肺ランゲルハンス細胞組織球症の1例
荒井 直樹 野中 水 沼田 岳士 太田 恭子 箭内 英俊 遠藤 健夫
国立病院機構水戸医療センター呼吸器科
症例は65歳,男性.20本/日×45年の喫煙者.咳嗽を契機に近医を受診し,胸部CTで両肺に多発する結節影を指摘された.転移性肺腫瘍が疑われPET-CTを施行したが異常集積はなく,経気管支肺生検でも確定診断が得られず,胸腔鏡下肺生検を施行した.病理組織所見より肺ランゲルハンス細胞組織球症と診断した.胸部CT所見では明らかな嚢胞性変化はみられず,肺ランゲルハンス細胞組織球症としては非典型的所見であった.多発性結節影の鑑別として,今後肺ランゲルハンス細胞組織球症を考慮する必要があると考えられた.
肺ランゲルハンス細胞組織球症 多発性結節影 喫煙 気管支肺胞洗浄液
Received 21 Jun 2016 / Accepted 24 Nov 2016
連絡先:荒井 直樹
〒311-3192 茨城県東茨城郡茨城町桜の郷280
国立病院機構水戸医療センター呼吸器科
日呼吸誌, 6(2): 58-62, 2017