
内視鏡的治療に加え外科的治療介入を要した気管支グロムス腫瘍の1例
下村 巌a 橋本 大a 設楽 将之b 棚橋 雅幸b 丹羽 宏b 中村 秀範a
a聖隷浜松病院呼吸器内科
b聖隷三方原病院呼吸器センター外科
症例は73歳,男性.持続する咳嗽に対して前医で胸部単純CTを施行し,気管支腫瘍を疑う所見を認めた.精査目的に当院紹介となり,気管支鏡検査を施行したところ左肺下葉支を閉塞する腫瘍を認め,同部位より生検を行った.病理組織学的検索にて小型類円形細胞の集簇像を認め,免疫染色にてグロムス腫瘍と診断した.硬性鏡による高周波スネア,レーザー治療を試みたが完全切除は困難であり,左肺下葉管状切除術を追加施行し経過良好である.気管支グロムス腫瘍はまれであると考え,文献的考察を含め報告する.
Received 4 Mar 2016 / Accepted 26 Aug 2016
連絡先:下村 巌
〒430-0906 静岡県浜松市中区住吉2-12-12
聖隷浜松病院呼吸器内科
日呼吸誌, 6(1): 18-21, 2017