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プラジカンテル治療後も空洞拡大を認めたウェステルマン肺吸虫症の1例

宮川 英恵a,b 永井 英明a 赤川志のぶa 益田 公彦a 田村 厚久a 大田  健a 

a国立病院機構東京病院呼吸器センター
b東京慈恵会医科大学附属第三病院呼吸器内科

要旨

症例は42歳,タイ人女性.1年前から全身に移動する痛みを認め,1ヶ月前から右季肋部痛が増悪した.胸部単純CTで右S6に空洞と結節の集簇を認め,肺結核疑いで入院となった.好酸球増多とIgE値上昇を認め,生肉の摂食習慣があり,寄生虫抗体検査からウェステルマン肺吸虫症と診断した.プラジカンテルの治療は奏効したが,治療後も空洞の薄壁化と拡大を認め,治療後に空洞は縮小・消失するという従来の報告とは異なる経過を示した.遺残空洞は慢性気道感染を引き起こす可能性があり,注意深い経過観察が必要である.

キーワード

ウェステルマン肺吸虫症 空洞 肺吸虫症 

Received 25 Feb 2016 / Accepted 21 Jul 2016
連絡先:宮川 英恵
〒204-8585 東京都清瀬市竹丘3-1-1
国立病院機構東京病院呼吸器センター

日呼吸誌, 5(6): 356-360, 2016

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