出産後に血気胸を発症した胸腔内子宮内膜症の1例
神宮 大輔 矢島 剛洋 生方 智 庄司 淳 高橋 洋 渡辺 洋
宮城厚生協会坂総合病院呼吸器科
症例は36歳,女性.生来健康,先行する外傷歴なし.受診11日前に第一子を自然分娩で出産した.受診前日,咳嗽後より右前胸部痛が出現し,右血気胸の診断で入院加療とした.待機的に全身麻酔下胸腔鏡検査を施行し,横隔膜腱様部に欠損孔およびblueberry spotを認めた.Blueberry spotの一部を生検し,病理にて胸腔内子宮内膜症の診断となった.出産後に血気胸を発症し,同時に胸腔内子宮内膜が確認された例はなく,胸腔内子宮内膜症の病態を検討するうえで貴重な症例と考えられ,報告する.
Received 14 Mar 2016 / Accepted 12 Jul 2016
連絡先:神宮 大輔
〒985-8506 宮城県塩釜市錦町16-5
宮城厚生協会坂総合病院呼吸器科
日呼吸誌, 5(6): 351-355, 2016