慢性進行性肺アスペルギルス症に合併した続発性アミロイドーシスの1例
斉藤那由多* 高崎 仁 長原 慶典 鈴木 学 放生 雅章 杉山 温人
国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
*現 東京慈恵会医科大学内科学講座呼吸器内科
症例は35歳,男性.X−6年,慢性進行性肺アスペルギルス症(CPPA)と肺非結核性抗酸菌症(NTM)を発症し治療された.X−5年,CPPA再発加療中,下痢が出現し腸生検にて続発性アミロイドーシス(SA)と診断された.CPPA改善に伴いSAも改善した.X年,CPPA増悪時,下痢が再発し生検にてSA再燃と診断された.人工呼吸器管理下アムホテリシンBの経静脈,経気管支的投与にても改善せず,呼吸不全,心不全にて死亡した.CPPAに合併したSAはまれであり,両疾患の病勢相関を観察しえた貴重な1例と考えられ報告する.
続発性アミロイドーシス 慢性進行性肺アスペルギルス症 肺非結核性抗酸菌症
Received 16 Jan 2016 / Accepted 5 Jul 2016
連絡先:斉藤 那由多
〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1
国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
日呼吸誌, 5(6): 336-340, 2016